ずっと、キミが好きでした。
しばらくベンチに座っていたけど、無情にも時間は流れて気付くと日が暮れかけていた。
もうそろそろ、帰る時間だ。
寂しいな……。
せっかくのデートだったのに、私が勝手に怒ったり泣いたりしたから、れおにツラい思いをさせてしまった。
それが何より心苦しい。
あの2人組は許せないけど、もし彼女たちの声がれおに聞こえていたとしたら、それ以上に許せなかった。
それだけはよかったと思うことにして、気持ちを切り替えなきゃ。
「れお」
「ん?」
声をかけたのがわかるよう、れおの手をクイッと軽く引っ張る。
「誰がなんて言おうと、私はれおが好きだよ」
れおの目をまっすぐに見つめて言った。
ちゃんと伝わったかどうかはわからないけど、れおの口元がフッとゆるんで、私の大好きな笑顔に変わった。
そして、ゆっくり口を開く。
「ありがとう」
ねぇ……好きだよ。
幼なじみとしてでも、家族としてでもなく、1人の男の子としてれおが好き。
どんなれおでもいい。
私は、れおじゃなきゃダメなの。
きっとキミは、微塵もそんな風に思っていないだろうけど。
決めたよ。
次に逢ったら、その時にちゃんと伝える。
ちゃんと……れおが好きだよって伝える。
曖昧じゃなくて、わかるように伝えよう。
その時までに、覚悟を決めておくから。