ずっと、キミが好きでした。
れおの家の敷地内はかなり広く、表部分は綺麗に手入れされた庭があるけど、裏は雑木林のようになっていて真っ暗。
ひとりだとちょっと怖いけど、れおと一緒だと大丈夫。
だけど、野生動物が出たりするらしく、勝手に入ったことが知られたらこっぴどく怒られてしまう。
幼稚園くらいの頃、秘密基地を作ったりしてよく怒られてたなぁ。
「本当に行くんだ?」
裏山に入ろうとする間際で、れおが私の方を振り返った。
月明かりに照らされた顔立ちがすごく魅力的で、思わずドキッとしてしまう。
だけど、れおはきっと私といてもドキッとすることなんてないよね。
ただの幼なじみか妹のように思ってるんだと思う。
「もちろんだよ、そのためにここまで来たんだもん」
「はぁ」
呆れたようにため息を吐きながらも、れおは最終的に私に付き合ってくれる。
仕方ないなって顔で、今も私を見てる。
そんなれおだからこそ、大好きなんだ。
「しずは言い出したら聞かないもんな。仕方ない、離すなよ」
「うんっ!」
遠慮がちなれおの手が、私の手を優しく包み込んだ。
細くしなやかな指が私の指に絡みつく。
ドキドキして、ワクワクして、ソワソワして、落ち着かない。