ずっと、キミが好きでした。


「おい、誰か落ちたぞ」


「大丈夫か?おい!」



ざわざわとした声が真下で響き、次第に人だかりが出来始める。


何が起こったのか、状況をすぐには理解出来なかった。


れおが……落ちた?


女の子と一緒に、落ちたの……?


階段の下のれおは女の子を腕の中に抱き締めたまま、ピクリとも動かない。



れお……?


ウソ、でしょ?


やだよ。



「れおっ!」



私は急いで階段を駆け下り、人だかりを掻き分けてれおのそばに走り寄った。


やだよ、れお。


ねぇ……れおっ!


れおがいなくなっちゃうような気がして、すごく怖かった。



「れお……!大丈夫?れおっ!」


「ミオちゃん!」



同じように女の子のママも走り寄って来て、涙目で女の子の名前を呼ぶ。



「れおっ!れおってば!」



何度も肩を揺さぶった。


血が出たり傷はなさそうだから、そんなに強く打ったわけではなさそうだ。


何度か名前を呼ぶと、れおはゆっくりと目を開けた。



「しず……?」


「れお……!わかる?階段から落ちたんだよ?どこか痛い?」


「大丈夫だよ。頭を軽く打っただけだから」


「頭?大丈夫なの?」


「大丈夫。軽く打っただけだから」


「ホント?」


「ああ」


「そっか……よかった」



思わず、倒れたままのれおの体をギュッと抱き締める。


よかった……。


よかったよ、無事でいてくれて。



「し、しず……苦しいっ」


「だって……だって」



ギューッとギューッと抱きついた。


れおが無事で本当によかった。


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