あの日の記憶。~青春の全て~



朝、目が覚めてスマホを見ると

咲葵からの着信があった。


「もしもし?咲葵?」


自分からかけ直すとワンコールで出た咲葵。

聞こえてくるのは大きい声だった。


『茜!なんで付き合わないの!?』


「なんでって、別に好きじゃないし。

相手は胸が好みだったらしいから。」


『男子なんてそんなもんでしょ!

茜、恋愛経験ないんだから、1回くらい付き合ってみなよ。

そしたらわかるって!恋する楽しさ』


咲葵は呑気だ。

何故私を分かってくれない。


『もう、後で学校で質問攻めにするから!じゃあね!』


一方的に切られる電話。

ため息をつく。


恋愛以外のことでは意気投合の私達だが、

恋愛の話になると何も合わない。


「...まったく、恋愛なんかしてたらつまんないっつーの」


これ以上、私の日常に顔を突っ込む男子はいらない。

でも...


「...あの人だけにはお礼しないと。」



私はあの彼が未だに忘れられない。



< 10 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop