あの日の記憶。~青春の全て~
「茜!宿題見せて!お願い!」
「またー?仕方ないなー」
私の人生はとてつもなく平凡だ。
「ありがと!茜!今度、ジュース奢る!」
「はいはい、いちごオレでお願いね」
友達に貸す宿題。
一度も礼を返されたことなどない。
高校2年の夏は、私、高月茜(タカツキアカネ)にとって何も無い。
青春という青春もない。
好きな人もいないし、恋愛経験は全くない。
ないないだらけの人生に、私は終止符を打ちたかった。