世界を超えて。
突然

1日の授業が終わり、静かになった教室にオレンジ色の光が差し込む一番綺麗な時間。
私は学級日誌を書き込みながら、この時間を堪能する。

この学校は私立の特進単位制高校。
学力、運動、美術等の将来に役立ちそうな技能を証明できれば入学費免除、授業費半額の変わった学校。
だからからか、個性的な人が多い。
私、中村智香はマネージメントで入学した。

そんな個性的な人達と、3年間過ごしたこの教室が好きだ。
言い争ったり、殴りあったりしたこともあったが、色んなことを共に乗り越えてきた。

「もしかして、黄昏てる?」

扉の方を見ると友人の増田君がいた。

「こんな時間にどうした?忘れ物?」

増田君は端末を取り出し、隣の席に座った。

「うん。忘れ物をとりに。それにしても、いろいろあったね。」

それから私達はしばらく3年間について話した。
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