世界を超えて。
体育館に着くと、若手の先生を中心にバタバタと皆が忙しなく動いていた。
「3年D組です。どうすればいいですか?」
大林君の声に入口でなにやら必死に打ち込んでいた先生が顔を上げる。
「体育系は阿部先生に、医療系は伊東先生に、電気系は僕の所に、学級委員は特別生の名簿をもらいにステージに、特別生はステージ裏に向かって。残りの人は武内先生に指示もらって」
先生は作業の手を止めることなく、説明していく。
「特別生って何ですか?」
大林君が質問すると先生はやっと手を止めた。
「まだ聞いてないなら、話を聞く方が先かな。地図と一緒にあげたデータにまとめてあるから落ち着いて理解してね。」
皆の目線が私に集まる。
私はゆっくりと混乱に陥らないように説明を始めた。