・いつまでも、キミを想う
2
******
「……か。涼香」
誰かが、遠くで私を呼んでいる。
その優しげな声に導かれる様に、ゆっくりと重い瞼を開けた。
「やっと起きた! お休みだからって、いつまでも寝てるんじゃないわよ」とブツブツ言っているのは、お母さんだった。
どうやら、ここは私の家で。私の部屋?
ムクリと起き上がった私は、辺りを見渡して確認する。
クリーム色の柔らかな壁紙。
厚地の遮光カーテンは、お母さんによって開け放されていた。
しっかり窓も開けられていて、換気済み。
そよそよと、風がレースのカーテンを優しく揺らしている。
本棚も、勉強机もある。
特に変わったことは……無い。
さては、未来を覗く事に失敗したのだな、と思った。
けれど、その勉強机に広げられているのは教科書やノート、参考書ではなく、化粧品ばかり。
やっぱり何かおかしい。
化粧品と言えば、化粧水と乳液くらいしか持っていないはず。
なのに、机の上には美容液だのアイクリームだの。
手にしたこともない化粧品のラインナップ。
これって、いわゆるアンチエイジング化粧品ってやつ?
ふと、商品類の隣に置かれていたメイクミラーに目が留まる。
私はミラーを覗き込み、サーッと血の気が引いた。
「ふ、老けてるっ!」
「……か。涼香」
誰かが、遠くで私を呼んでいる。
その優しげな声に導かれる様に、ゆっくりと重い瞼を開けた。
「やっと起きた! お休みだからって、いつまでも寝てるんじゃないわよ」とブツブツ言っているのは、お母さんだった。
どうやら、ここは私の家で。私の部屋?
ムクリと起き上がった私は、辺りを見渡して確認する。
クリーム色の柔らかな壁紙。
厚地の遮光カーテンは、お母さんによって開け放されていた。
しっかり窓も開けられていて、換気済み。
そよそよと、風がレースのカーテンを優しく揺らしている。
本棚も、勉強机もある。
特に変わったことは……無い。
さては、未来を覗く事に失敗したのだな、と思った。
けれど、その勉強机に広げられているのは教科書やノート、参考書ではなく、化粧品ばかり。
やっぱり何かおかしい。
化粧品と言えば、化粧水と乳液くらいしか持っていないはず。
なのに、机の上には美容液だのアイクリームだの。
手にしたこともない化粧品のラインナップ。
これって、いわゆるアンチエイジング化粧品ってやつ?
ふと、商品類の隣に置かれていたメイクミラーに目が留まる。
私はミラーを覗き込み、サーッと血の気が引いた。
「ふ、老けてるっ!」