・いつまでも、キミを想う
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「……か。涼香」


誰かが、遠くで私を呼んでいる。

その優しげな声に導かれる様に、ゆっくりと重い瞼を開けた。


「やっと起きた! お休みだからって、いつまでも寝てるんじゃないわよ」とブツブツ言っているのは、お母さんだった。

どうやら、ここは私の家で。私の部屋?


ムクリと起き上がった私は、辺りを見渡して確認する。


クリーム色の柔らかな壁紙。

厚地の遮光カーテンは、お母さんによって開け放されていた。

しっかり窓も開けられていて、換気済み。

そよそよと、風がレースのカーテンを優しく揺らしている。

本棚も、勉強机もある。


特に変わったことは……無い。

さては、未来を覗く事に失敗したのだな、と思った。


けれど、その勉強机に広げられているのは教科書やノート、参考書ではなく、化粧品ばかり。


やっぱり何かおかしい。


化粧品と言えば、化粧水と乳液くらいしか持っていないはず。

なのに、机の上には美容液だのアイクリームだの。

手にしたこともない化粧品のラインナップ。


これって、いわゆるアンチエイジング化粧品ってやつ?


ふと、商品類の隣に置かれていたメイクミラーに目が留まる。

私はミラーを覗き込み、サーッと血の気が引いた。


「ふ、老けてるっ!」

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