・いつまでも、キミを想う
責任を感じ、全てを諦めたようなレイに、私は謝る事しかできない。
私のせいで、レイは消えてしまうのだから。
「ごめんね、ごめんなさい」
「泣かないの。妖精だって、失敗することもあるし。不本意に消される事だってある。私は最後に涼香の役に立って消えるのなら、本望よ」
「レイ……」
レイの小さな手が、私の頬を優しく撫でる。
身体が小さい妖精というだけで、私にはレイの事が、なんだかお姉ちゃんみたいに感じる。
「確か一本だけ、まだ未使用チョークがあったと思うんだけどなぁ」
私の手から自由になったレイは、下げているポシェットの中を確認し始め。
うーん。と天井を見上げながら、手探りでチョークを探すレイが、急に真顔になった。
「どう? ありそう?」
「……ごめん、私ちょっと用事思い出したから、一旦消える!」
キラッと光り、レイは一瞬にして姿を消した。
「ちょっと、消えないでよレイ?」
私はどうすればいいのよ。
ここでレイが戻るまで、姿を現すまで待っていろ、っていうの?
警備員が来たら、逃げようがないんですけど!