・いつまでも、キミを想う
「今の現状を変えない限り、未来で彼は涼香の隣に居てくれない。彼の隣には、あの彼女が居るのよ」


私の望んだ願望を現実にするには。

やっぱり「今」を変えなければいけないんだ。


「どうしたらいいの? 私は、繭に碧人を渡したくない。取られなくないよ」

「……簡単な事でしょ。彼女の告白は無かったことにしたんだし。彼女よりも先に彼に気持ちを伝えればいいだけじゃない」


レイは「困った子ね」と言いながら、再び七色に輝くチョークをしっかりと私に握らせた。


「今度こそ、本気で願い事を書きなさい。そうね‘涼香が気持ちを伝えたら、碧人は涼香の想いを受けとめてくれる’とでも書いてみたら?」


碧人が断らないと分かっているのなら、恥ずかしがる事無く気持ちを伝えられるでしょ、とレイは私に囁いた。


本当にいいのだろうか。そう思いながらも、私はチョークを持って黒板の前へ向かう。


黒板の前に立ち、チョークを黒板に当てた。


「早く、早くっ。また誰かが来ちゃうわよ」

「わ、分かってる」


コツコツッと黒板にチョークで文字を記す。

一文字一文字、大切に手を動かした。



私は、碧人が好きだ。

誰にも渡したくないと思っている。

私だけを見てほしいと思ってる。


その気持ちは、誰にも負けない。



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