・いつまでも、キミを想う
「まだ帰ってなかったのかよ。そろそろ雨が降りそうだぞ」


そういいながら、私に向かって近づいてくるのは。

紛れもなく17歳の碧人だ。


けど。


何かがおかしいし、何かが違うと感じるのは。

私が、27歳の碧人の気持ちを聞いてしまっているからなのか。


それとも、レイが言っていた通り。

半分私の願望である未来で、碧人に抱かれたからなのか。


「あの……」

「委員の仕事? まだ終わってなかったのかよ。早く片して帰ろうぜ」


戸惑う私をよそに、碧人は床の上に置かれたプリントを拾い上げる。

そして、先生の机の上にそれらを置いた。


「その模造紙は?」

「あ、これは」

「あぁ、廊下に貼り出すのか。俺が貼って来るよ。画鋲ケース固くて開かないしな」


碧人は模造紙と画鋲ケースを持って廊下へと向かった。

私は、そんな碧人の背中を見送りつつ、碧人の言葉が引っ掛かっている。



やっぱりおかしい。

廊下の壁に模造紙を貼った時。

私は、確かに碧人と一緒に廊下に出ていた。

一緒に模造紙に手で押さえて、画鋲ケースが開かなくて……。


「どうして碧人が、画鋲ケースが固くて開かない事を知ってるの?」


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