・いつまでも、キミを想う
休み時間。
仲の良いグループに居ながらも、実は裏で私を敵視している繭が、猫なで声で私に頼み事を持ち掛けてきた。
「放課後、夕凪君に告白しようと思うんだ。一緒に来て立ち会ってよ」
予想もしていなかった繭の言葉に、私は内心驚いてしまう。
やはり、告白シーンに出くわしてしまう事は、避けられない事実ということなのかな。
どんなに嫌がっても、私の運命は決まっているのかも。
うるんだ瞳で私に懇願する繭の本心は分からない。
もしかしたら、私がフライングして告白したり、碧人を横取りしたりしない様に、予防線を張る意味も込めているのかもしれない。
周りの女子達も、そんな繭の思惑には気づいていないようで。
「勇気が出る様に、一緒に居てほしいんだよ」なんて言い出すし。
「私も碧人が好きだから、繭に協力してあげることは出来ないよ」
とは、この状態で断れるほど、私は強くない。
断った時点で仲良しグループからも外されてしまうだろう。
教室内でボッチなんて、寂しすぎる。
今から新しいグループにだって入りづらい。
私の出せる結論は、一つしか残されていない。
「……離れたところで、後ろから見守っているだけなら」
なんて、自分の首を絞める答えを口にしていた。