・いつまでも、キミを想う
私は、何をしているんだろう。
これじゃあ、全く以前と変わっていない。
繭の片思いを、みんなと一緒に応援したりして。
告白の付き添いを断るどころか、その現場に一緒に立ち合うことになるなんて。
屋上の景色は、これから始まる繭の告白を後押しするかのように、綺麗なオレンジ色の夕焼けが広がっている。
気持ちのやり場のない私は、屋上のドアの後ろに隠れていたが、なかなか姿を現さない碧人に待ちくたびれて、屋上の手すりに両手をつき景色を眺めていた。
ぼんやりと優しく彩る街の景色は、不思議と気持ちを落ち着かせ。
これから始まろうとしている事を冷静に見守る事が出来る様に、大きく深呼吸をした。
「涼香ちゃん、ちゃんと居てよ。途中で帰ったりしないでよ」
「……うん。でも、どうして見守り役が私なの? ほかの子もいるじゃない」
一番の疑問を繭にぶつけると、繭は私を見て笑った。
「だって、涼香ちゃんも夕凪君のこと、好きでしょ?」
「えっ」
即答で「違う」と言えなかった。
というより、繭に気持ちを見透かされていたことが。
気づかれていたことに驚いてしまって、即座に否定できなかった。
そんな私の態度を見て、何かを確認した繭は。
大きなため息をつきながら頬に手を当て、私を睨みながら言ったのだ。