・いつまでも、キミを想う
教室に着くと、レイの姿は何処にも見えない。
碧人は黒板の前に立ち、レイを呼ぶ。
「おい! 隠れてないで出て来いよ。俺にはお前の姿が、とっくに見えてたんだ。今まで、見えないフリしてきたんだからな。いい加減姿を現せよ」
誰も居ない教室で叫んだ碧人は、傍で飛び回っていたオークを捕まえると、レイが姿を現す様に声をかけろと指示を出した。
「レーイ、出て来いよー。俺だよ俺。久しぶりー、元気にしてたかぁ?」
オークの声も、教室に響く。
が、レイからの返事は無かった。
「レイ? 居るんでしょ? 出て来て。碧人がレイに用があるんだって。オークはレイの仲間なんだから、隠れる必要ないでしょ?」
碧人やオークの後に続き、私もレイに声をかける。
レイは返事をしてくれるだろうか。
姿を現してくれるのだろうか。
静まり返った教室内を、見渡してみてる。
教室の一番後ろの席に目を向けた時。
私の席がボンヤリと光った。
「……オーク?」
光と共に聞こえてきた声は、紛れもなくレイの声だった。
碧人とオーク、そして私は一斉に声の発せられた方を向く。
ちょこんと見えたブロンドのお団子頭を確認した私は、誰よりも先に声をかけた。
「レイ!」