はにーだーりん
適当に町を散策し、2人は路地裏のある店に入った。

「葉月ちゃん、これ・・・」


「うん。お人形さんみたいでしょ?」



そこには、甘い香りの漂うひらひらのロリータ系の洋服がずらりと並び、倫太郎は初めての光景に目を丸くした。


そして彼も男の端くれ・・・嬉しそうに服を選ぶ彼女がそれを着るのかと思うと、少し楽しみでもあった。



葉月ちゃん、カジュアル系の服を着ているところしか見ないけど、こういうのも似合うんだろうなー。

なんか、今日は今までで一番楽しそうだし。



ほほえましくその様子を見ていた倫太郎の首下に、ぐいっとハンガーが押し付けられた。





「!?」

そのハンガーにはリボンやレースが一杯ついている真っ白な洋服がぶら下がっている。


「倫ちゃんにぴったりだね♪」



最上の笑顔に心臓が飛び跳ねる。その言葉の意味は良く分からなかったが、彼は頷くしかなかった。
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