はにーだーりん
「楽しかった。付き合ってくれてありがとね、りんちゃん」


薄暗くなった空の下、彼女を家まで送る。

倫太郎にとって幸せな時間だった。



家の前に着くと、葉月はじっと倫太郎を見つめた。

「倫ちゃん・・・」


同じ高さにある瞳が近づいてくる。

彼女はそっとまぶたを下ろした。



これは、初チューのチャンス!?



普通より少し内気な倫太郎は、3ヶ月たってもキスひとつできずにいた。




「葉月ちゃん・・・」


意を決し、彼女の肩に両手を乗せ、軽く唇を触れさせた。





「ねぇ、倫ちゃん。今日親いないんだ・・・」


意味ありげな言葉。



倫太郎は完全に葉月の虜。



誘われるがままに、彼女の家に入っていった。
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