はにーだーりん
倫太郎はそのまま引っ張られ、彼女の部屋に通された。


シンプルな部屋だけど、ところどころぬいぐるみやアンティークドールなどがあって可愛らしい。


「葉月ちゃんって、こういう人形好きなんだ」


「ううん」


葉月はこらえきれずににやにやしてしまう。
カミングアウトし過ぎて、嫌われてしまっても可笑しくないのに、もうとめられない。



「着せ替えが好きだったの」



そういって葉月は大きなクローゼットの扉を開けた。



「・・・・え」


あまりの衝撃に、倫太郎は言葉を失った。

クローゼットの中身は、扉を開けた勢いでひらひらと踊っている。



「倫ちゃんに似合うかなと思って、つい買っちゃった」


10着はあるであろうロリータ服・・・メイド服まである。




「・・・ぼくに?」
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