眠りの森のシンデレラ
「サイト側が厳選した著名人の、非公開部分を解き明かす、超ダークな暴露ゲームだ」
「何それ? 個人情報じゃなく秘密を暴露するの?」
「ああ、会員は金持ちばかりだろ、探偵雇ったり、ターゲットの秘書を買収したり、金かけて本気モードでゲームに臨んでいる」
「ウワァッ、悪趣味!」
「そうか? 人生は愉しむためにある。会員は良識人ばかりだ、悪用はしない。それにそんなことをしたら、どんな処罰受けるか……おお恐っ!」
「ふーん、で、池田登麻里もターゲットということ?」
「そう。彼女、謎だらけで、おまけに難攻不落。話題に上る人ランキングで常にトップ10入りしている」
裕樹は、そこでアッと明るい顔になり、ニッと笑う。
「僕も覗いてみようかな。琶子ちゃんも当然ターゲットだよね?」
ボソボソと則武と裕樹が話していると、コホンと登麻里が咳払いをする。
「こちらへどうぞ、ご案内します」
薔薇の花をモチーフに、彫刻を施された木製ドアを開け、三人を中へと誘う。