宮田君の告白
「及川さんて、案外分かりやすいんだな」
「えっ?」
初めて宮田君に教室で声掛けられた。
驚いて宮田君の方を見る。
すると、宮田君は少しだけ、穏やかに笑ってた。
「いや、やっぱ昨日伝えて正解だったかな。色んな及川さんを見られる」
「何それ、やだ。分かんないよ」
「俺だけが分かってればいいから」
そう言って今度は少しだけ意地悪い顔をしてニヤっと笑った。
「......やだ」
もともと宮田君は顔が整ってるから、そういう表情すると物凄く絵になる。
そして私は何も言えなくなる。
......そういう宮田君だって、普段教室でそんな表情してるの見たことないって。