宮田君の告白
「ほら、試合始まるから、もう並ぶ」
「あ、ほんとだ。じゃーねー、及川ー...って、痛いっ、痛いよ、宮田くーん」
結城君は宮田君に無理矢理引っ張られるようにして連れてかれる。
.....ナイス、宮田君。
と、その時、ふと宮田君と目があった。
宮田君はこちらを向いて一瞬だけフッと笑い、その後はいつもの無表情で試合が始まるコートに向かっていった。
あ、.....ユニフォーム姿、初めて見た。
かっこいいな。
制服の時は細身に見えてたけど、腕とか、意外と筋肉質なんだ。
なんていうの?
コスチュームマジック?
いつもとは違うその雰囲気になんだかドキッとした。
「頑張れ、宮田君」
小さくそっと呟く。
その応援はきっと誰にも届いてはいない。