宮田君の告白
「バスケの試合、ちゃんと見るのは初めてだった。凄いなー、宮田君上手いんだね」
あんなに本気で勝って欲しいって思ったのは初めてだった。
座ってられないなんて今までなかった。
「名前、呼んでくれてありがと」
「......うん」
今になって、少し恥ずかしい。
周りの目も気にせず、頑張って欲しい、の一心で宮田君の名前を呼んだから。
「宮田君、ちょっと驚いてた?」
「うん。苦しい時だったし、及川さんが見てるのに負けらんないって思ってたから。おっきな声で、俺の名前呼んでくれて。びっくりしたけど、嬉しいの方が大きいよ」
ありがとう、とほんとに今まで見たことのないくらい、綺麗な笑顔で宮田君は言った。
「好きな子に応援してもらえるってこんなに嬉しいんだな」
「.......恥ずかしいから」
思わず、その笑顔にドキっとした。