宮田君の告白






「バスケの試合、ちゃんと見るのは初めてだった。凄いなー、宮田君上手いんだね」





あんなに本気で勝って欲しいって思ったのは初めてだった。



座ってられないなんて今までなかった。







「名前、呼んでくれてありがと」




「......うん」






今になって、少し恥ずかしい。





周りの目も気にせず、頑張って欲しい、の一心で宮田君の名前を呼んだから。





「宮田君、ちょっと驚いてた?」






「うん。苦しい時だったし、及川さんが見てるのに負けらんないって思ってたから。おっきな声で、俺の名前呼んでくれて。びっくりしたけど、嬉しいの方が大きいよ」






ありがとう、とほんとに今まで見たことのないくらい、綺麗な笑顔で宮田君は言った。






「好きな子に応援してもらえるってこんなに嬉しいんだな」





「.......恥ずかしいから」






思わず、その笑顔にドキっとした。






< 39 / 59 >

この作品をシェア

pagetop