願 叶



「雅にはこの可愛さがわからへんのか。可哀相に。」


そういって私にベッタリひっついて頭をなでまわす螢君。


「あたっ。」

すると、その言葉に怒ったのか雅君は無言で片手に持っていた本で螢君の頭をたたき、部屋の奥へといってしまった。


「痛そう・・・。」


「ホンマ痛かったわー。今の完全に本の角で叩いたで、雅の奴。」


本の角で叩かれた所を痛そうに手で押さえる螢君。
そのすきに、私は螢君から気づかれないようにそっと2・3歩離れた。


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