願 叶
私達の後ろから、ズルズルと何かの音がコチラに近づいてきた。
よく見ると、ゲッソリとした顔の雪君。
雪の足には、しがみついて離れない楓ちゃんが引きずられていた。
「こいつ、どうにかしてくれ。はやくしないと李織さんに俺が怒られる!!」
雪君は半泣きで、そう私達に言ってきた。
「楓離れたりぃな。雪が困ってるで。」
「楓ちゃん。私と夕食まで遊ぼうか。」
そう言うと楓ちゃんはコクンと頷き、雪君から離れた。