願 叶



ポーン・・・


歩いているとだんだんピアノの音が大きく聞こえてきた。



「楓ちゃん・・・誰の部屋に向かってるの?」


ピタッと止まった楓ちゃんは、私の方をまた振り返り人差し指を口にあて「シッー」と言った。


そして楓ちゃんは目の前の扉をそっと開いた。




誰かがピアノをひいている姿が見えた。そこにはパーカーを着た男の子。雪君だった。


ピアノを弾く雪君はどこか嬉しそうで、でも寂しそうにも見えた。


曲は全く知らないもので、でも優しい音がした・・・。


< 154 / 355 >

この作品をシェア

pagetop