願 叶



「螢君?」

真っ赤にした顔を隠すように螢君はうつ向いた。

「…すまん。今のは…そのっ…。」


…螢君は私の顔を見るが目を合わせてはくれない。

「螢君が私を保健室まで運んでくれたの?」


「えっ…?あっ、…そや。千春ちゃんを風邪ひかすわけには、いかんしなっ。」

…そっか。優しいんだね螢君は。


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