願 叶
「いつから、そこに?」
「さっき。」
淡々と、そう答えるその女の子。
「えっと~・・・お名前は?」
「楓。」
口の中にたくさん物をつめていて声が少し聞こえずらい。
「そっかー楓ちゃんか。さっきから何食べて・・・。」
楓ちゃんの顔から視点をそらし、その子の右手を見てみると、タレがたっぷりついた焼き鳥が・・・。
私は、焦って楓ちゃんから少し離れる。
やややや・・・焼き鳥食べてるよ、この子!!!
こっここここ・・・コレってさっ、さっきのカラスなんじゃ・・・。
あのパーカー少年も『後でアイツは俺が、焼き鳥にしてやる!!!』って言ってたし!!
「お姉ちゃんも食べる?」
そう言って、楓ちゃんが焼き鳥(多分、カラスの肉)を私にさしだす。
「いっ・・・いらない!!」