願 叶



「いつから、そこに?」


「さっき。」


淡々と、そう答えるその女の子。



「えっと~・・・お名前は?」


「楓。」


口の中にたくさん物をつめていて声が少し聞こえずらい。


「そっかー楓ちゃんか。さっきから何食べて・・・。」


楓ちゃんの顔から視点をそらし、その子の右手を見てみると、タレがたっぷりついた焼き鳥が・・・。


私は、焦って楓ちゃんから少し離れる。


やややや・・・焼き鳥食べてるよ、この子!!!


こっここここ・・・コレってさっ、さっきのカラスなんじゃ・・・。


あのパーカー少年も『後でアイツは俺が、焼き鳥にしてやる!!!』って言ってたし!!



「お姉ちゃんも食べる?」


そう言って、楓ちゃんが焼き鳥(多分、カラスの肉)を私にさしだす。



「いっ・・・いらない!!」



< 21 / 355 >

この作品をシェア

pagetop