願 叶



「せっ戦争は、いいい…いけませんっ!!」


李織さん、小声で誰に訴えかけてるんですか。


「戦争じゃなくて、ただの取り合いじゃないですか?」


李織さんは大袈裟に首をふる。


「いいえ、戦争ですっ!!」

強い声で強調され、私はもう「そうですか…。」としか言えなかった。


「とりあえず、何買うんですか?」


そう聞くと李織さんは震えた手で私にメモ用紙を渡した。



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