願 叶
気づけば私はその家の扉の前に立っていた。
古びたドアプレートには漢字で『願叶』と書いてあり、その上にローマ字で小さく『NEGAKANA』と書いてあった。
「ねが・・かな・・・?」
何かのお店なのだろうか・・・。
私は扉の隣にあった小さい窓を覗いた。
しかし、窓は薄く虹色に光っているだけで中の様子が全く見えない。
その窓を覗いていると、下にあった植木鉢に足がコツンと触れる。
「うわっ!!」
さっきまで、何に触れても通り抜けていた体だったため、植木鉢にぶつかった時、私はすごく驚いた。