生き続ける意味

「ん...?どうした、桜。」


だって、だって...。今までは家で一緒だったのに。入院したから、別々になっちゃう。


それと同時に、翔や実優にさえ会うのも制限されると思うと、胸の底から悲しさが込み上げてきた。


「なんで...っ。やだ、あたしも帰る。」


ぽろぽろと涙をながしながら、必死に亮樹兄ちゃんの服をにぎる。


「...桜、ダメ。わかってるでしょ?......さびしくなった?」


コクンとうなずく。


だめだって、わかってる。けど、けど... 。


亮樹兄ちゃんは、黙っているあたしを軽々しく持ち上げて、抱えた。


白衣を着ていない亮樹兄ちゃんは、いつものお兄ちゃんで、すごく安心する。













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