生き続ける意味
でも、向かう場所は、やっぱり病室で。
「やだっ、亮樹兄ちゃんっ。あたしも帰るの!」
必死に抵抗するけど、亮樹兄ちゃんの力にかなうはずはなく。
ただ腕の中でジタバタしているだけ。
「さくらー、帰れないよ?桜は病院でお泊まり。」
それがやだっていってるのに!
そんな言い合いをしながら、あっという間に病室のベッドに寝かされた。
「桜、嫌なのも知ってる。怖いのも、さびしいのもわかってる。でも、決めたんでしょ?頑張るって。」
あたしは、黙ってうなずく。
「じゃあ、頑張ろうよ?俺もなるだけ病院いるようにするからさ。」
「......ほんと?」
あたしは、小さい声で言う。
亮樹兄ちゃんは、微笑んであたしの頭をなでた。