生き続ける意味
亮樹兄ちゃんは、あたしを見るなりため息をついた。
「さーくーら、早くおいで。小さい子じゃあるまいし。さっさと終わらせたいでしょ?」
そう言って、半ば強引に手を引っ張り、診察室に連れていく。
「ちょっ、やだ!離してよ...。もうちょっとゆっくりいこ?」
腕をブンブン振り回すも、びくともしない。
「ねぇっ、亮樹兄ちゃん...。」
返事なし。...もう、ほんとにやだ。
どんどん歩いて、診察室まで来ると、押して入れられた。
「はい、ここ座って。」
亮樹兄ちゃんは、ベッドに腰をかけ、となりをポンポンと叩いた。