生き続ける意味
ベッドに座って、なにやらプリントの束をペラペラめくっている亮樹兄ちゃん。
「っ...!やぁだ... 。」
必死にやだって言うけど、茜さんに手を引かれ、亮樹兄ちゃんの隣に座らされてしまった。
診察室は、小児科というだけあって、壁にお花やおもちゃやキャラクターの絵があって、とっても明るい。
でも、中学生のあたしにとっては、子ども扱いされてる感がむくむくとわいてくるだけ。ましてや、怖さを減らすものになんてならない。
そして、机の上には、いかにも検査の道具であろうものがたくさんそろっている。
「さて、桜。今から検査頑張るよ?...ってなに腰引けてんの。もうちょっとこっち来て。」
亮樹兄ちゃんとベッドの端同士で座っていたあたし。あっさり引き寄せられた...。
うぅ...。心臓のバクバクがやばいよ。
「よし。じゃあ検査の内容だけど、まずここでやっちゃうのが、簡単な診察と採血ね。じゃー、さっさと済ませましょー。」