生き続ける意味

* 出逢ったお仲間


「桜ねーちゃん!」


最悪だった検査から数週間後、年越しまであと1週間。


窓の外は太陽がぴかぴか、風の音がピューピュー。


大都市では、大晦日やら初売りやらでにぎっているなか、病院内はあいかわらずな生活。


そんななか突如、小児科病棟の廊下に響く、聞き覚えのある声がした。


「桜ねーちゃん!桜ねーちゃん!」


いきなり後ろから抱きつかれ、びっくりしたあたしはパッとふりかえる。


そこには、ぷっくりピンク色のほっぺに、サイドみつあみの小柄な女の子。


「......もしかして、ヒナ?」



< 117 / 737 >

この作品をシェア

pagetop