生き続ける意味
「違うよ。まぁ...あれはあれでむかついたけど。........いや、ちがくてさ。ほら受験のこと。」
じ、受験?えっ、だって...。
思わず、布団から身をのり出すと、さすがに寒くて体を小さくした。
「だってあたし、入院でしょ?2月まであと1ヶ月くらいなのに、そんなに早く退院できないでしょ。」
亮樹兄ちゃんは、どこから持ってきたのか、家にあったはずの小さい赤色の毛布を肩にかけてくれる。
「まあね。でも、高校は行きたいでしょ?」
そんなことを言う亮樹兄ちゃんは、もうすっかりあたしの親であり、お兄ちゃん。
なんだか、こういう久しぶりで、心があったかくなる。