生き続ける意味
あたしたちは、病室につくとベッドの上に座った。
「桜、どうする?寝る?まだ9時だけど。」
......寝たくない。
っていうか寝れないよ。
「ううん...。まだ。」
「そっか。じゃあ、話してような。」
病室でついているのは、ベッドサイドの小さな明かりだけ。
あたしは、上着を羽織った。
「亮樹兄ちゃん...?」
「ん?なに?」
「......もういっかい抱っこして。」
中学生にもなってこんなこと言うのは、いつもなら恥ずかしい。
けど、今日はちがう。
近くにいてほしい。ぬくもりを感じたい..。
亮樹兄ちゃんは、一瞬びっくりした顔をすると、笑った。
「甘えただね、桜は。こんなの久しぶりだな。」
そう言いながらも、手を差し出して、あたしをぎゅっと抱きしめた。