生き続ける意味

亮樹兄ちゃん...あったかい。



すごく、落ち着く。




しばらくそうしてると、頭をなでられた。



「...桜？さっきはどうしたの？いきなり話聞いてびっくりしちゃったね？」




優しい声で話しかけれた。


あたしは、小さくうなずいた。




「...おなはし聞いて、診察室出てひとりになって...急に怖くなったの。」





またさっきのことを思い出して、涙がたまってくる。




″そっか、そっか″ と言いながら、背中をポンポンリズムよくたたいてくれる。




「なんでｯ...なんでこんな目にあわなきゃいけないのって...。
これからの治療も怖いし.........あたし、ひとりだもん。だから...寂しい。」





頬に一筋の涙が流れる。



亮樹兄ちゃんは、あたしを膝の上に座らせた。

お互いに、顔が見えるように。






「そうだね。怖いよね、苦しいよね...。
...ごめんな。辛い思いばっかりさせて。
桜も、俺が医者だから忙しくて、なかなかいつもそばにいてあげられなくてごめんな...。」