生き続ける意味
...わかってる。わかってるんだよ。
だから、
「大丈夫。」
「...じゃない。」
亮樹兄ちゃんの声。
......へ?亮樹兄ちゃん、なに言ってるの...?
すると、頭をすこし乱暴になでた。
「だーかーら、無理するなって言ってんだ。」
「ッ......だって...亮樹兄ちゃんが大変なの知ってるもん...。だからいいの。」
けど、亮樹兄ちゃんはゆずらなくて。
「桜、いい?今、一番大変なのは桜なんだから。みーんなわかってるよ?
俺や茜さんだって、翔や実優ちゃんだって、誰よりも大変で頑張ってるのは、桜なんだぞ!」
すこし強めの口調で、まっすぐあたしを見て言われた。
「...だから、無理なんてしなくていいの。我慢もするな。
言いたいことがあったら言いなさい。
...そうしないと、どんどん余計に辛くなっちゃうからね?」
コクりとうなずいた。
亮樹兄ちゃんが、そう思ってくれてるなら、すこしだけ...甘えてもいいのかな。
「......じゃあ、できるだけ...さ。一緒にいて...!いっしょに、いてほしいの。」
亮樹兄ちゃんの手をぎゅっと握りながら言った。
すると、亮樹兄ちゃんは微笑んで。
「ああ、時間をつくって桜のとこ行くから。
だから、大丈夫。戦ってるのは、桜ひとりじゃない。一緒に、頑張ろうな。」
亮樹...兄ちゃん......
うれしくて、思わず肩に手をまわして、ぎゅっと抱きついた。
ひとりじゃない...。
あたし、ひとりじゃない...。
みんなが、いるんだね。
そう思うと、また涙が出てきた。