生き続ける意味
前も言ったように、桜の病気の進行は早くはない。
だから、体調面や精神面も考えて、いったん休憩。
そして病院に戻ってきたら、一気に治療を始める。
もちろん、今回やったのより強いのを。
ということは、副作用も、桜の苦しみも、比べ物にならないくらい強くなるということ。
長い間の治療になると思う。
正直、途中でどうなるか...わからない。
けど、最悪の場合は考えたくない。
だから、今の桜にとって最善の方法で救いにいく。
そのためには...桜にも頑張ってもらわなきゃな。
「ねぇ、亮樹兄ちゃん!おでかけしていい?遊んでもいいよね?」
いま、こんないい笑顔をしてる桜に、現実を伝えるなんて、苦しい。
「...いいけど、勉強もしろよ?」
「うんっ!」
だから、というわけじゃないけど伝えるのはまた病院に戻るときにしよう。
桜も、そのほうが精神的に安定してくれるだろう。