生き続ける意味





しばらく、再びフリーズしてたら、翔が声をかけて。



「桜?ごめん。さっき... ごめん。嫌だったなら、さ。」



翔の声ではっと気が戻った。


さっきの...あれだよね。





「いや..別にそういうわけじゃ...。
でも、どうしたの?いつもはこんなこと、しないのに...。」



勇気を出して、なぜか息を吸わずに一気に言ったあたし。酸欠です..。



緊張して答えを待つと、翔は顔を赤くして、あたしと目をそらした。




「あ、いや。なんだろうな...今までのが一気にさ。今日は安心しちゃって...。」



え?今まで?一気に?


ど、どういうこと?




すると、翔はハッとして首を振った。



「あぁ...なんでもない、なんでもない。
とにかく、最高の幼なじみが帰ってきてよかったってことだよな!」



わざとらしく声をあげて、あたしと肩を組んだ。



あ、いつもの翔...戻った??



「う、うんっ!!」








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