生き続ける意味





目を見開いて、あたしのおでこに手を当てる。



「熱はないのね。よかった。

じゃあどうしたの?」




亮樹兄ちゃんは、もうすっかり医者の顔。




「ええ...あっ!そう、つ、疲れたの。

今日願書出しにに行ったでしょ?

高校まで道が大変でさぁ。それで疲れちゃった。」




.....まぁ嘘はついてないよね、うん。



いざというときに勝手にぺらぺらしゃべるあたしの口!今回も大活躍~




亮樹兄ちゃんもちょっとは顔の表情がほぐれた。



「そっか。大変だったな。」




そう言うと、着替えに部屋に行った。




ふぅ......。よかった。ばれてないみたい。


ここでバレたら、いちばん危ないもんね。



すると、着替え終わった亮樹兄ちゃんが...診察道具を持ってきてる。



右手に聴診器、左手に体温計。


あれ、あたし...... 疑われてる?







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