生き続ける意味
っ...。いたーい治療...
完全におどしてるよね。
でも...やっぱり、まだ治ってないのかな?
だから...?
「ねぇ亮樹兄ちゃん!」
亮樹兄ちゃんは台所で皿洗いをしながら、こちらをむいた。
「んー?」
...どうしよう。言えない。
あたしの病気、悪くなってるの?なんて。
怖くて聞けないよ。
どんな答えがかえってくるか、予想もつくけど、わからない。
胸がドッドと早く脈打つ。
「あっ.....もし、具合が悪化したらどうする?」
あたしの言葉に、亮樹兄ちゃんがぴくっと動いた。
あたし... さりげなーく言ったつもりなんたけど... だめだったかな?
なんて思ってると、亮樹兄ちゃんはあたしの方に目をむけた。
「なんで?やっぱどこか悪いの?」
げっ!
「ううんっ!そうじゃないけど...なんとなく?」
くるしまぎれに笑う。
亮樹兄ちゃんは微妙な顔したけど...
「まぁ... とりあえず検査して、それ次第で入院かな。」
入院...やっぱり。
これは、もう絶対に言えない。
「そ、そうなんだ。」
むりやり苦笑いすると、再び布団のなかにもぐった。
やっぱり..... まだよくなってはない...。