生き続ける意味
「亮樹先生!こっちです。」
看護師によばれ、いそいで治療室に向かう。
いくつかのベッドと、点滴やら処置の医療道具。そして、医者と看護師。
ここは、いつ来てもあわただしい。
いちばん手前のベッドに寝ていた患者さんか...。
「学校で急に倒れたらしいです。
今は意識はありません。」
脈や体温、一通りの測定を終わらせた紙に顔を寄せる。
...ん。特に気になるところはないかな....。
しいていえば、熱が37.6あるね。
えーと、その患者さんは...
ベッドに目を向けたとき、体がかたまった。
衝撃が走る。
そこに、朝見た制服姿で必死に呼吸を繰り返している桜の姿だった。
突然すぎて、思考回路が停止しそうになった。
うそだろ?あいつ朝はなにも言ってなったよな?
そんなことをぐるぐると考えながら、すぐそばに駆け寄る。