生き続ける意味
まだふらつく体に精一杯の力を入れて立ち上がる。
うわ... 足が浮いてるみたい。
でも、ナースコールは知らない人来たらやだしなぁ... 。
点滴を引きずって、体重をかけてあるきだした。
ナースステーションまで... 長い。
体が重いからかな?
やっとの思いでつくと、中をのぞいた。
「あ、茜さーん?それか...亮樹兄ちゃんいますか...?」
普通の声出してるつもりだけど、小さくて届かないみたい。
すると、廊下から足音が聞こえてきた。
「... ですね。そうしてみます。」
「うん。そうした方がその子もいいんじゃないかな?」
聞きなれた声と、おじいちゃんぽい人の声。
反射的に、影にかくれた。
っ!亮樹兄ちゃんと... なんかおじいちゃんの先生。
ちょうどいいや。亮樹兄ちゃんに声かけ...
「それで?結構悪くなったのかね。」
「はい...。受験だからって、進行は遅いんで様子みたんですけど... 急に悪くなってて。」
「そうか...。それで最終手段を?」
亮樹兄ちゃんがコクりとうなずいた。