生き続ける意味
茜さんはベッドから立って、伸びをした。
「...どう?息苦しさは。少しは落ち着いた?」
「...ねぇ茜さん。」
「なぁに?」
「あたし... 我慢しなきゃ...いけないよね。」
胸が苦しい。
モヤモヤが消えない。
「我慢...?」
茜さんは少し間をあけると言った。
「桜ちゃんは、もう充分がまんしてると思うよ?
頑張ってるもんね。私たちみーんなわかってる。
けど、そんなに我慢ばっかりしちゃダメ。
言いたいなら言う、嫌なら嫌って言う。それも大事なのよ。」
あたし、わからないよ。
あたしは嫌だ。亮樹兄ちゃんじゃないなんて。
けど、さっきあんなこと言った亮樹兄ちゃんは... ちょっと嫌いだった。
......ううん。大嫌いって言っちゃった。
今も、そんなのなんで言ったのって思うけど、
けど。
「じゃあ、桜ちゃん。また来るから、ゆっくり休んでるのよ?」
ガチャリ
扉が閉まった。
「やっぱり、亮樹兄ちゃんに困らせたくないよ...」