生き続ける意味
~亮樹said~
「っ...!桜っ!」
桜が起きたと聞いて、急患の処置からいそいで戻ってきた。
......寝て...るか。
そうだよな。疲れてるもんな。
桜の病室に入るなり息切れしてしゃがみこんだ。
「はぁ...。」
ベッドサイドの小さな明かりをつけた。
前髪をそっとかき分ける。
スースーと寝息をたてながら眠る桜。
よく見れば、涙の跡がある。
「ッ...!! さくらぁ...」
横に膝だちして、リズムよくお腹をポンポンとする。
「...ごめん。ごめんな桜。」
...急にあんなこと言って。
目をさましたばっかりで、状況も伝えてなかったのに、いきなりあんなこと...。
今思えば、俺、なんてことしたんだろう。
俺は言わなきゃ言わなきゃばかり頭にあって、桜のことも考えずにな。
「はあ.........」
もう自分が情けない。
桜の命を危険にさらしといて、傷つけたあげく自分の力で助けてあげられないとか。
...俺、医者失格じゃん...。