生き続ける意味






桜はすごい傷ついただろうな。


”俺が治してやる” って約束したのに、できなかった...。



まぁ”だいっきらい” なんて言われてもしかたないんだろうな...。





いまだに、普段気を取り乱さない桜が、”だいっきらい” と叫んだ声が耳に残ってる。




”だいっきらい” ね...。




「はは... 情けねぇ、俺。」




桜の頭をなでる。




俺は、見守るばかりしかできねぇのかよ...!


わなわなと震える手を押さえる。

情けないし、怒りも悲しみも。






「りょーき、兄ちゃん?」





びっくりして顔をあげると、眠たそうに目を開けてこちらを見ている桜がいた。




「桜っ!大丈夫か?苦しいとこないか?」




桜は苦笑いした。




「大丈夫...。そんなあわてなくても。」



額にはうっすら汗をかいてて、頬もピンクにそまってる。



熱、あるんだな。








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