生き続ける意味





勢いよく走っていくもんだから、通りすぎる看護師さんや子どもたちは何事かと思って見てるけど。



人の目なんて、今のあたしには関係なかった。






しばらく走って、息が苦しくて立ち止まった。




息を必死で吸って、目を開けると、辺りが真っ暗で。




びっくりして後ろを振り返ると、病院の出入り口があった。






「病院の... はぁはぁ...外...?」



たぶん... 先生とかさがしてるんだろうな。


ここだと見つかる...




あたしは、重い体を引きずって中庭の花壇の端まで来た。





涙を押し殺して、わざとダンダンと足で地面を踏みつけて、歩く。



地面を踏むたび、涙がこぼれてしまいそうで。






そして、座り込んでしまった。




「はぁはぁっ...くるしっ... !」



頭の中がくらくらして、真っ白になりそうで...

倒れそう。



けど。ここで倒れたら、絶対連れ戻されるもん。











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