生き続ける意味
人に迷惑かけといて、あたしからは何も恩返ししないで。
あたし、最低じゃん。
どうせこの命が長くないなら、自分から終わらせる。
これ以上、無理だよ... 。
「ごめんっ...亮樹兄ちゃん。
ごめん... 翔。
ごめん... 実優。
ごめんなさい... みんな。」
込み上げる思いを押し殺して、必死で耐えた。
なにもできなくてごめんなさい...
迷惑かけてごめんなさい...
もう、思い返せば”ごめんなさい” しかないよ。
あ...... そうだ。
ほかにも、ひとつあった。
ごめんなさい、それと...
「......!あたしをッ... 大切に思ってくれて... ッ!!ありが...とう。」
震える声だった。
最後の”ありがとう”は、悲しい言葉になっちゃったけど... 。
亮樹兄ちゃんが紙を切るのに使っただろう、テーブルに置いてあったカッターナイフを、震える手で取った。