生き続ける意味
* 助けて
カチ、カチ、カチ、
時計の秒針が部屋に響く。
なんだか、泣きつかれて、寒くて、頭がぽーっとしてきて目を閉じようとした... とき。
ガチャッ
ドアがすごい音で開いた。
玄関の明かりがぽっと光って、足音が近づく。
リビングに入って、ばっと明かりをつけた人。
その人は、ぼうぜんとあたしの方を見ている。
走ってきたのか、息が荒い。
病院から飛び出してきたのか、白衣を手に持ったまま。
「...さ、くら?......桜っ!!」
あたしを見て、血相を変えて駆け寄った人。
でも、あたしの目の前でピタッと立ち止まった。
その視線は、あたしの手。
そう、カッターナイフ。と、切れた指。
あたしはいまだに息が苦しくて、荒い呼吸を繰り返してる。