生き続ける意味
血が流れる手で、カッターを離した今でもあたしの手を握ったまま。
傷からはどんどん血がながれてくる。
あたしが...持ってたから...。
亮樹兄ちゃんを傷つけたの...?
あしのせいだ...
血の気がひいて、我に返った。
「り、りょうき、にーちゃん... 」
震える声で呼ぶと、亮樹兄ちゃんは微笑んで、あたしを抱きしめたんだ。
あたしを座らせて、胸の中にすっぽりと入るように、ぎゅっと。
亮樹兄ちゃん...?
なんで... ケガ... したのに。あたしが悪いのに...
どうして?
あたしは、亮樹兄ちゃんの腕の中でジタバタ手足を動かした。
けど、すごい力で抱きしめられていて、びくともしない。